粋な黒塀 見越しの松に〜♪  軽快なメロディー・・日本情緒の象徴のような歌ですね
お富さん
歌 春日 八郎
作詩 山崎 正  作曲 渡久地政信
昭和29年

1 粋な黒塀 見越しの松に
  仇な姿の 洗い髪
  死んだ筈だよ お富さん
  生きていたとは お釈迦さまでも
  知らぬ仏の お富さん
  エーサオー 玄治店(げんやだな)

2 過ぎた昔を 恨むじゃないが
  風も沁みるよ 傷の跡
  久しぶりだな お富さん
  今じゃ呼び名も 切られの与三(よさ)よ
  これで一分じゃ お富さん
  エーサオー すまされめえ
 歌舞伎の「与話情浮名横櫛(よわなさけ うきなの よこぐし)」の一場面「源氏店」(げんじだな)

「ええご新造さんへ   おかみさんへ   お富さんへ  いやさ これお富 久しぶりだなぁ」
 
  今風に言えば妾を住まわせる有名な高級マンションのようものかな。
 たまたま見かけた黒塀に見越しの松、粋で洒落た家。金があって弱みのありそうな家に押し入って脅かしユスって金をむしりとろうと押し入ったが・・・

住んでいたのはお富さん。与三郎の元カノだった。
ここで、吐いたのが先の名セリフ。

湯上りのお富さん
 仇な姿の洗い髪・・・・艶っぽい、いい場面だ。


 こんな感じでしょうか・・・ここは京都の祇園
3 かけちゃいけない 他人の花に
  情かけたが 身のさだめ
  愚痴はよそうぜ お富さん
  せめて今夜は さしつさされつ
  飲んで明かそよ お富さん
  エーサオー 茶わん酒

4 逢えばなつかし 語るも夢さ
  誰が弾くやら 明烏(あけがらす)
  ついてくる気か お富さん
  命みじかく 渡る浮世は
  雨もつらいぜ お富さん
  エーサオー 地獄雨
 「源氏店は、江戸に実在した「玄治店」という町がモデル。「店」は、貸し家。
お富の亭主は質屋の番頭さん、名は多左衛門。
都市銀行「和泉屋(質屋)」の取締役。

物語は、やくざの親分赤間源左衛門のおめかけさんのお富さんと小間物屋の若旦那の与三郎が木更津の潮潮比狩りで出会ったのが事の始まり。

あとは与話情浮名横櫛Wikipedia



 弊社の渋墨を採用いただきました。まさしく粋。

  お富と与三郎(明治5年東京歌舞伎座)   
戻る