和歌山は徳川御三家の一つだったのです

和歌山城

徳川御三家と言えば「尾張・水戸・紀州」です。徳川宗家は初代家康~7代家継までですが、家継が8歳で死去したため宗家が断絶してしまい、8代将軍として紀州徳川家から吉宗が養子に迎えられました。尾張・水戸からは将軍は輩出されていないため(徳川慶喜は水戸徳川家出身だが御三卿の一橋徳川家へ養子に入ってから15代将軍となっているため)、宗家以外で唯一の将軍を輩出したのが「紀州徳川家」です。

和歌山城について

徳川御三家の1つ、紀州藩紀州徳川家の居城です。和歌山城を築城したのは豊臣秀長で、その築城には藤堂高虎が関わっています。実際には家臣の桑山重治が入城しましたが、豊臣家が滅亡後は徳川家康の十男・頼宣が55万5千石で入城しました。
平坦な所に建てられているように見えますが、市の中心部に位置する虎伏山(標高48.9m)の山頂にあります。
明治維新後も本丸の天守、櫓群は遺っていましたが、太平洋戦争末期の1945年7月9日にあった「和歌山大空襲」で焼失し、現在は本丸と二の丸は和歌山城公園になっています。大小天守群とそれに続く櫓・門・大手門・一之橋は復元されたもので、鉄筋コンクリート製です。当時のまま残っているのは石垣のみになります。
天守閣は入場料(大人(高校生以上):410円、子供(小学生・中学生):200円)で入ることができます。中は展示室になっており、甲冑や古文書、復元模型などもあります。また最上階からは和歌山市を一望できます。

わかやま歴史館がオープンしています

城内の一角に、2015年9月にオープンしたわかやま歴史館は館内に観光案内所(8:30~17:15)と観光土産品センター(9:00~17:00)、郷土の人物についての歴史展示室(9:00~17:30)があります。歴史展示室は高校生以上のみ有料(100円)です。予約制ですが時代衣装の貸し出しもあり、天気が良ければ衣装を着たまま城内散策もできます(有料・最大3時間)。

おもてなし忍者が現れます

忍者
こんな風には現れません(多分)

月・火・雨天を除くお昼前後の時間を中心に、公園内の随所に潜んでいる忍者がどこからともなく姿を現し、記念撮影や案内が必要で困っている人々を助けてくれます(無料)。
また絵本の読み聞かせや暑い時にはミストシャワーなども吹きかけてくれます(希望者のみ)。月・火は忍者の里で忍の修行をしているそうですよ。

茶室「紅松庵(こうしょうあん)」

和歌山市出身の実業家、松下幸之助から寄贈された茶室で、抹茶で一服できます(470円・税込)。
また本格的なお茶席としての茶会や稽古の場としても貸し切りで誰でも使用できます(有料)。

和歌山城公園動物園

大正時代に開園した、お城の敷地内にある全国でも珍しい動物園です。和歌山城以外でお城の中に動物園があるのは「小田原城(ニホンザルのみ)」や「高岡城」などです。「姫路城」にも動物園はありますが、城内ではなく外側にあります。
和歌山城公園動物園は開園以来無料で運営されており、約40種類の動物が飼育されています。近くの幼稚園・保育所の子供たちがよく来ています。

お城の周辺の地名

和歌山城の住所は、和歌山市一番”丁”です。「○○丁目△△」という表記は全国的にも普通の表記ですが、○○町の代わりに○○丁と表記されています。
このように”丁”がつく地名のところにはかつて武士が住んでおり、その周辺にある雑賀”町”などの”町”がつくところは町民が住んでいたようです。城下町ではよく使われていたそうですが、全国的には1962年の「住居表示に関する法律」が施行された際に、多くの歴史的な地名が姿を消してしまったそうです。
和歌山市はこの表記で今でも多く残っており、とても珍しいようです。

アクセスについて

車でのアクセス

阪和自動車道の和歌山I.C. を降りて、国道24号線、三年坂通り経由で約15分ほどです。お城にも駐車場はありますが、満車の場合でも和歌山城の周辺にはコインパーキングなどが多数あるため、駐車場に困る事はあまりありません。

電車・バスでのアクセス

南海和歌山市駅から徒歩で約10分です。JR和歌山駅からですと、和歌山バスの「和歌山港行き」に乗り、公園前バス停で下車してすぐです。
JR和歌山駅・南海和歌山市駅共にバスの本数は多い(1時間に3~4本)ので困る事はありません。