和歌山の柿
- 柿の生産量
和歌山の柿の生産量は全国1位です。とくに渋柿(平核無:ひらたねなし)の生産量が多く、全体の7割は渋柿です。ですが、通常の脱渋処理(渋抜き)を行うと柿が軟化しやすくなります。渋抜きはアルコールや炭酸ガスなどで行うのですが、実際には渋みを抜いているのではなく、渋みを感じなくさせているのが正しいようです。
甘柿はそもそも渋くない(渋みを感じない)柿なので脱渋処理が必要なく、軟化しにくい柿です。当会では甘柿系の「富有柿」を取り扱っています。- 柿と日本人の結びつき
日本人と柿には、古来より深い結びつきがありました。諸説ありますが、柿の原産地は一説では日本と言われており、気候があっていたためか交雑が進み、多くの品種が生まれました。人類が誕生する前から日本には柿があったようで、縄文時代や弥生時代の遺跡からも柿の種が発見されているそうです。奈良時代にはすでに流通していたそうです。また、柿はとても栄養価の高い食べ物であり、昔の人にとって栄養源として貴重なものだったそうです。
- 柿の実と葉
柿にはタンニンと呼ばれるポリフェノールが含まれています。それを抽出した「柿渋」には防虫・防腐効果があり、建材の塗装などに古くから利用されています。また柿の葉にも殺菌効果がある事は分かっており、和歌山や奈良の名物である「柿の葉寿司」はこの防腐効果を利用しているそうです。
- 神の食物
富有柿はその圧倒的な知名度と抜群の美味しさから「柿の王様」と言われています。また、国の果物(国果)は「柿」とされています(オフィシャルなものではありませんが…)。また、柿の学名は「Diospyros Kaki」と表記され、これはギリシャ語で「Dios(神の・聖なる)pyros(食物)」という意味があります。
- 柿食へば…
10月26日は「柿の日」です。これは正岡子規が書いた有名な俳句「柿食へば 鐘が鳴るなり 法隆寺」の詠まれた日、だそうです。
また、多くの品種の柿が真っ赤に熟す時期のため、日本果樹研究連合会のカキ部会によって制定されました。
柿好きと知られている正岡子規は、他にも柿に関した俳句を多く残しています。この有名な柿食へば…の句は、「法隆寺に立ち寄った際、茶店で一服して柿を食べると、途端に法隆寺の鐘が鳴りその響きに秋を感じた」という句意なのですが、これは実際の出来事を詠んだものではなくて法隆寺に関するフィクションの句であると考えられているそうですよ。- 糖質とカロリー
柿に含まれている糖質は、100gあたり約14.3gで、カロリーは100gあたり約60kcalです。果物の中では低カロリーのわりに糖質はやや多めかも知れません。あんぽ柿や干し柿にすると水分が抜けて多く食べやすくなるのですがその分糖質やカロリーは凝縮されているので食べすぎには注意ですね。
- 富有柿の特徴
平核無柿はかつらぎ町の名産品で、多くの農家さんが生産しています。渋柿は富有柿に比べて作りやすいという事もあって農家さんは徐々に生産を移行していますが、今でも九度山町では富有柿を作っている農家さんは多くいます。
渋柿は脱渋処理をすることですぐに軟化してしまいますが、富有柿は長持ちしやすいのが特徴です。また甘みが強くて肉厚、果肉が柔らかいのも特徴です。
※表示価格は内税です