ジャムにもいろいろあるんですよ
ジャムの日とは
ジャムの美味しさや魅力を多くの人に知ってもらい、ジャムの需要と消費の拡大を目的として日本ジャム工業組合が2015年に制定しました。この日になった理由としては1910年(明治43年)4月20日に長野県北佐久郡三岡村(現在の小諸市)の塩川伊一郎氏がいちごジャムを明治天皇に献上したことからだそうです。
ジャムの歴史
ジャムの起源は今から1万年~1万5千年前の旧石器時代と言われており、はちみつを使って果実を煮たのが始まりと言われています。日本にジャムがはじめて伝えられたのは、16世紀後半に宣教師がもたらしたものと考えられています。そのためこの時点ですでにヨーロッパではジャムが作られており、かなり長い歴史のある事が分かります。
日本のジャムの始まり
日本では明治初期からジャムの製造が始まり、とくに長野県では蕎麦や米を作っていた農家が冷害に悩まされていたことから、転作としてジャム用いちごの生産に乗りだしました。1877年(明治10年)東京・新宿にあった勧農局においていちごジャムが試しに売り出され、その後1881年(明治14年)に塩川氏によって缶詰のいちごジャムが販売されました。そのため塩川氏は日本のジャム産業の礎になった人物とされています。
ジャムはどうして長持ちするの?
ジャムは保存性に優れた食品として長く人々に親しまれており、防腐剤などは無くても未開封であれば6か月~1年程度の賞味期限があります。
この理由としては、ジャムの製造にはフルーツの果実や果汁の重量比として10%~同量程度の砂糖や蜂蜜を加えて加熱濃縮しているのですが、砂糖には水分を抱え込むことでその腐敗を遅らせるという性質があるためです。そのため砂糖の濃度が高いほど腐敗しにくく、長期間の保存ができます。ただし開封をするとカビが生えやすいので、冷蔵庫で保管して2週間を目安に使い切る必要があります。ジャム・マーマレード・ゼリーの違い
ジャム類は、ジャム・マーマレード・ゼリーの3種類に分けることができます。これは日本農林規格で決められており、ジャム類の定義としては「果実や野菜、花弁を砂糖や蜂蜜とともにゼリー化するまで加熱したものに酒類・柑橘系の果汁・ゲル化剤・香料等を加えたもの」とされており、その中でも
- 「柑橘系の果実を原料とし、その皮が入っているもの」をマーマレード
- 「果実の搾汁を原料としたもの」をゼリー
- 「それ以外のもの」はジャム
と分けられています。
またジャムの中でも、「プレザーブスタイル」というものがあり、これは「いちごを除くベリー類においては全形の果実、いちごの果実は全形または2分割、ベリー類以外の果実は5mm以上の果肉片を原料とし、その形状を保持するようにしたもの」と定義されています。