「釣りはフナに始まり、フナに終わる」と言われています

へらぶな釣り

和歌山県の伝統的工芸品にも指定されている「紀州へら竿」。ヘラブナ釣り師憧れの銘品は高野竹の産地にほど近い橋本市で作られています。

紀州へら竿とは

へら竿

紀州へら竿とは、「ヘラブナ」を釣るための専用の竿の事です。真竹・高野竹・矢竹の3種類の竹を使用しており、それらを組み合わせることで1本の釣竿を作っています。
ほぼすべて手作業で行われており、1人の職人が約1年もかけて制作しています。そのため非常に高価な物でありますが、工芸品としての美しさもあります。ヘラブナ釣り師の間では、いつかは手に入れたい憧れの竿と言われています。

橋本で根付いたへら竿

元々は大阪で生まれた技術だそうですが、高野竹の産地に近い橋本市で根付いたへら竿の技術。昭和初期のヘラブナ釣りブームもあり、今でも多くの釣り師に愛されています。平成25年には国の伝統的工芸品と指定されました。
和歌山では「紀州漆器」「紀州箪笥」に続く伝統的工芸品として指定されています。

ヘラブナ釣りとは

昔から「釣りはフナに始まり、フナに終わる」という格言があります。これは釣りの六物りくもつである「竿・糸・ウキ・錘・針・餌」を使うもっとも身近な釣りである「マブナ釣り」を子供のころにすることで釣りの楽しさを覚え、大人になると行動範囲が広がることでフナ釣りから離れていくが、老いて遠出が難しくなると近所でヘラブナ釣りを楽しむようになる、という話です。
身近で入門しやすいマブナ釣りから始まり、奥が深いヘラブナ釣りで終わる。まさに人生の縮図ですね。
そもそもヘラブナ釣りは食べるために魚を釣るのではなく、鮒との駆け引きを楽しむ釣りです。派手さはありませんが、「忍耐の釣り」といった感じでしょうか。
ヘラブナは通常のカーボン製の竿でも釣れない事はないそうですが、やはり竹製の紀州へら竿で釣ると、アタリがダイレクトに伝わる感じが違うそうです。

工房がオープンしました

南海高野線の無人駅である「紀伊清水駅」の一角に「紀州へら竿」の工房がオープンしました。
さお師と呼ばれる職人が作るへら竿の作業見学や製作体験(事前予約が必要・有料)が可能になっています。
通常営業は火・水・木・土の各日8:30~16:30となっています。5名以上で事前予約された場合は日・月もオープンします。