かつお節は和歌山生まれ

かつお節

和食の出汁を取るのにに欠かせない「かつお節」。このかつお節は和歌山で発明されたものだったと知っていましたか?

かつお節とは?

かつお節とは、かつおの脂肪分を切り落として加工して乾燥させたものです。今ではかつお節を本節のままで購入することは少なく、一般的には薄く削った「削り節」の形で目にすることが多いのではないでしょうか?

生まれは和歌山県印南町

現在において一般的に知られているかつお節が出回るようになったのは江戸時代中期ごろと言われており、製法を発明したのは印南の漁民であった「角屋甚太郎」と言われています。かつおが良く釣れるのは魚が傷みやすい初夏から秋にかけてであり、昔から煮て乾燥する方法はあったそうですが、より長期間保存の効くような加工方法が求められていました。

かつお節発祥の地
意外と知られていない事実

そこで甚太郎は煮て乾燥させた後に煙で燻すという「薫乾法くんかんほう」を1674年(延宝2年)に開発し、それを引き継いだ息子が試行錯誤の結果、火力でかつおを乾燥し、アオカビを付けて日光乾燥を繰り返すという「燻乾カビ付け法」を開発し、今の本枯節のような形になりました。
甚太郎親子が開発したかつお節の製法は、まず漁を行っていた土佐(高知)に伝えられ、改良を重ねたうえで枕崎(鹿児島)、南防鼠(千葉)、西伊豆(静岡)に伝授され、その後全国に伝わったとされています。
昔はアオカビを自然発生させて使っていましたが、昭和以降では純粋培養したカツオブシカビ(コウジカビの一種)を噴霧することで製造日数の短縮と好ましくないカビが発生するのを防ぐことが主流となっています。
今では印南町でかつお節を製造していませんが、日本全国では作り続けられ、和食の要として使われています。印南の漁民が考え出したかつお節、令和の世になっても昔と大きく変わることなく現在に伝えられています。

かつお節は「削りたて」がうまい

かつお節削り
削りたてにはかないません!

パッケージ技術が進化して新鮮な状態で保存できるようになった今でも、やはりかつお節は削りたてが美味しい!削った瞬間かつお節のいい匂いがふわ~っと漂います。カンナのような「かつお節削り器」で削るのはとても難しいですが、一度チャレンジしてみたいですね。

11/24はかつお節の日です

「11(いい)24(ふし)」と読む語呂合わせにちなんでヤマキ株式会社がかつお節の使い方、上手なだしの取り方などをもっと多くの人に知ってもらおうと定めました。江戸時代には武家を中心に贈答品の定番商品として重宝されました。なぜなら鰹が「勝つ魚」に通じ、節が「武士」に通じるためです。武士にとって縁起の良いものだったのでしょう。
タンパク質が多く脂質は少なめでヘルシーなのに栄養素が多いかつお節、出汁をとるだけじゃなく冷奴の上にぱらっと乗せて醤油を垂らすとそれだけで絶品!お好み焼きや焼きそばにもかつお節がかかっていると嬉しいですよね。他にも色々使えますよ。