高菜とめはり寿司
高菜とは
アブラナ科の植物で、からし菜の変種です。葉は大きく育ち、60cmほどに育つものもあります。野沢菜・広島菜と共に「日本三大漬け菜」の一つになります。
高菜は主に漬物にして使うため、他にはあまり使い道がないと言われていますが、実は内側の葉は柔らかく、生でも食べることができます。からし菜の仲間なので少しピリッとした味わいが特徴的です。
外側の葉は塩漬けにして、唐辛子を加えた油炒め(からし高菜)にするのが一般的です。博多豚骨ラーメン店には必ずと言っていいほど置いていますね。
高菜漬をごま油と調味料で炒めたものをご飯に混ぜ込んだ、熊本県の郷土料理「高菜めし」は絶品ですよ。めはり寿司とは?
和歌山県と三重県にまたがる熊野地方および奈良県吉野郡を中心とした吉野地方の郷土料理で、「寿司」と名前がついていますが、塩漬けにした高菜の葉で包んだ弁当用のおにぎりです。米が貴重だった時代には麦飯の握り飯を高菜で巻き込んで作っていたようです。現在では好みによって酢飯を用いることも有りますが、一般的には白米で作ることが多いです。
めはり寿司はとくに新宮市のものが有名で、和歌山県推薦優良土産品に指定されています。新宮周辺にはめはり寿司を提供する飲食店も多く、観光で訪れた方だけでなく、地元の方もよく召し上がるようです。ごはんとお漬物という、日本人の基本とも言える食材のためか、はじめて食べる方もなぜか懐かしい味に感じる事が多いようです。
元々は南紀・熊野地方の山仕事や農作業で食べる弁当として、1つで一食分となる大きな握り飯を崩れないように高菜で包んだのが始まりと考えられています。塩漬けにした高菜の葉でおにぎりを包むだけという簡便さにもかかわらず、野趣に富む味わいが、今でも和歌山で根強い人気を持っています。めはり寿司の由来
めはり寿司は以下の4つの由来があると考えられています
- 大きいので口を開ける必要があり、その時に自然と目も見開いてしまうため
- 目を見張るほど大きくて美味しいため
- おにぎりを目張り(めばり)するように完全に包み込むため
- 平安時代に活躍した熊野水軍の見張り番が食べていた(見張り→みはり→めはり)
高菜の産地
高菜と言えば、豚骨ラーメンや炒飯などによく使われている高菜の油炒め”からし高菜”で有名な九州地方(とくに福岡・熊本)ですが、和歌山県南部でも昔からよく栽培されています。これは日当たりの悪い場所でも栽培しやすい特徴を持つ高菜は、平地の少ない和歌山県の南部地域の山間部でも育つ為で、平安時代にはすでに栽培がされていたと言われています。
冬の期間に収獲される高菜は、霜にあたるとより辛味が増し、高菜漬に最適となります。
紀州の高菜は九州のものと収穫方法が異なり、高菜自体は植えたままにしておき、外側から葉を1枚ずつ取って、半年ほどかけて収獲を続ける方法が主になっています(九州などではキャベツや白菜と同じように株で収獲するのが一般的だそうです)うこんが入っている理由
販売されている高菜漬けの多くは「うこん」が入っています。うこんはショウガ科の一種で、別名「ターメリック」と呼ばれます。スパイスとしてカレーに入ってるのが有名ですね。塩とうこんを混ぜた「うこん塩」で漬け込みます。
うこんが高菜漬に用いられる理由としては、高菜を塩漬けにすると鮮やかな緑色が退色してしまうため着色する意味合いがあるのと、風味を付けるための2つが挙げられます。
また生薬として日本薬局方にも収載されている「うこん」には、クルクミンという成分が豊富に含まれています。めはり寿司の作り方
簡単に作れますので、ぜひお試しください。高菜の漬物は一番下のリンクからぜひご購入ください!
- 高菜の漬物を水洗いし、水気をよく絞ってからまな板に広げて軸の部分と葉の部分を切り分ける
- 切り取った軸の部分を細かく刻んで、醤油・酒・みりん等を混ぜたタレに漬け込む(タレの割合は好みで加減してください)
- 漬け込んだ軸の部分をおにぎりの中に入れて、軽く握って形を整える(中に入れるものは高菜の軸の部分だけにこだわらず、しらすやかつお節、梅干しなども合いますよ)
- 丁寧に広げた葉でおにぎりを端の方から全体に巻き込む
- 全体を軽く握って形を整える(味付けのために軸を漬け込んだタレを少し手に付けてもよい)
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