自然の神秘が作り出す奇絶狭

奇絶狭入り口

奇絶狭は「奇岩が峡をなす絶勝」という意味から名づけられたようで、元々は「奇絶境」と書かれていましたが、明治の末頃には「奇絶狭」の字でかかれるようになったそうです。

奇絶狭とは

滝見橋
右会津川にかかる滝見橋

田辺市の中央を流れる右会津川の上流にある渓谷で、渓谷内には約2kmに渡って巨石・奇岩がいたるところに点在しています。周辺には何もなく、静寂に包まれています。山間の谷になっていることから夏でも周囲に比べてひんやりとしています。
春は桜、秋は紅葉が見事な所です。川の水はきれいですが、水難事故が多発しているため右会津川には入ってはいけません
奇絶狭の入り口前には駐車場があり、車が3~4台は止められるようになっています(登山者の長時間駐車は禁止になっています)。また、トイレも有りますが自動販売機はありませんのでご注意ください。

不動の滝

不動の滝
季節によっては滝の勢いも変わります

別名「赤城の滝」とも言われる不動の滝は、水源を高尾山赤城谷に持ち、約23mの高さから流れています。不動の滝は国道から見えており、滝見橋を渡るとすぐにあります。滝の上にはお不動さんを祀った「不動明王堂」があります。不動の滝は全国にあり、そのすべては不動明王という仏様を祀っています。この不動の滝も上秋津村の木村佐七という男性が龍神村へ商いに行った帰り、三人の修験者に出会ってこの場所に御不動様を祀る事にしたそうです。

磨崖三尊大石仏

石仏
岩に彫られた3体の仏様

高尾山の中腹には「磨崖三尊大石仏」と呼ばれる、高さ16m・幅22mの大きな一枚岩に、中央に阿弥陀如来様、左に観世音菩薩様、右に勢至菩薩様が彫刻されています。これは昭和41年(1966年)に平和のシンボルとして彫られたもので、日本芸術院会員堂本印象画伯の原画をもとに約3か月の月日を費やして四月八日(仏陀生誕の聖日)にでき上がったものです。
初心者向けの登山道となっており、不動の滝から200mぐらいですが途中の道は歩きにくいので10分以上かかります。足元も悪いのでサンダルなどで登るのは危険です。

アクセスについて

車でのアクセス

阪和自動車道・紀勢自動車道の南紀田辺I.C. から約7.4km、自動車で約11分です。
駐車場は奇絶狭入り口の道を隔てた目の前に無料で停める事ができます(10台程度)。トイレもあるので一安心です。
満車の場合は田辺側から来ると、100mほど手前に駐車スペースがあります(20台程度)

電車でのアクセス

JR新大阪駅からJRきのくに線の紀伊田辺駅まで特急で約2時間20分、紀伊田辺駅からは龍神バスで約16分。奇絶狭バス停からすぐです。令和4年4月1日現在、平日は1日5便、土日祝日は1日3便でしかありません。
紀伊田辺から奇絶狭に向かって戻ろうとすると、休日だと「紀伊田辺12:00発→奇絶狭12:16着、奇絶狭12:51発→紀伊田辺13:11着」しか往復する方法はありません(令和4年4月1日現在)。近くには何もなく、タクシーを捕まえることも難しいので車で訪れることを強くオススメします。