空気に触れずに乾燥させるのが灰干し技術

灰干し

灰干しさんまのうまさのヒミツ

さんまの干物が1枚300円強…一般的には高く感じる値段です。ですが、普通の干物とは圧倒的に違う美味しさがそこにはあります。焼くとジュワっと染み出す脂、ふんわりとした身。一度食べると普通の干物じゃ物足りなくなる、そんな「灰干しさんま」のヒミツを中井水産さんのご協力の元、ご紹介します。

ヒミツ1:灰干しに使うさんまは、生の物より上等の物を使っています

冷凍さんま

灰干しさんまは、8月中旬以降に水揚げされるその年で一番いい状態の冷凍さんまを気仙沼・大船渡(三陸)から入荷しています。(※北海道産のさんま、三陸産のさんまという表現がありますが、さんまは回遊魚なので「どこの港で揚がったか」という事であり、どちらも三陸沖で獲られた同じさんまです)一般的に生さんまや塩さんまでは中まで見ることなく販売していますが、灰干しに加工するときは背開きにして内蔵を取ります。このため脂が乗ったさんまでないと身が貧相に見えるため、灰干しのさんまは上等なさんまを使っているのです。また、さんま曲がった状態だと灰干しには不向きなので、コンピューター制御された充填機で均一に箱に入っています。

ヒミツ2:素早く丁寧な捌き方

灰干しに使うさんまは、その日必要な分を前日に冷凍庫から取り出し、捌きやすい状態に解凍しておきます。柔らかすぎも硬すぎも捌きにくいので、ちょうどいいポイントを見極める必要があります。
捌くときは人の体温でさんまがやけどをしないように極力手の触れる時間を短く、丁寧に行います。包丁の先端は血合いを取り除くために丸く落としています。血合いが残っていると身に血が付着し、臭いや見た目が悪くなるためです。

ヒミツ3:少し薄めの塩分濃度がちょうどいい

調味液

捌いたさんまはしっかりと水洗いをしたあとで塩水に漬けて調味をします。
塩分濃度は少し薄めにしています。これは後から醤油などで塩味を足すことはできますが、引くことが出来ないからです。
しかしながら塩分濃度が低すぎると日持ちがしなくなるため、絶妙な調整が必要になります。その年のさんまの質(脂の乗り具合)、大きさ(重さだけではなく)によって、塩の効き方が違うので、毎年塩分濃度を微妙に調整しています。塩水の温度管理、回り具合にも気を付けています。漬ける時間は約3時間です。

ヒミツ4:極力空気に触れない灰干し技術

灰干しをするために、さんまはセロファンで包みます。
このセロファンは逆浸透作用(水だけ抜けて塩分は残る)をするため、余分な水分だけを抜くことができます。
ここでも体温でさんまが劣化しないように、職人技で極力手が触れる時間を短く、素早い行います。

ヒミツ5:灰干し時間は一定ではなく時期や環境によって微調整をしています

並べたさんま
灰干し工程

メインの灰干し作業です。セロファンを通して余計な水分だけを灰に移します。新聞紙を引いた上に16枚並べ、不織布を載せてその上に灰を乗せるため、さんまが直接灰に埋まっているわけではありません。並べる際には1つずつチェックし、ごみや寄生虫が付着していないか確認をしています。大きさや厚みにより乾燥時間は異なりますが、灰干しには4~6時間ほどかかります。
※干しすぎると塩分濃度が高くなりすぎるので、注意が必要です。

灰干し終了

乾燥が終わると、さんまから出た水分が灰に移っています。魚の形にくっきりと…までは行きませんが、「さんまから水分がこれだけ抜けているんだなあ~」と分かります。
灰を取り除いてさんまを取り出し、箱詰めして出荷になります。灰は水分を取るために必要ですが、灰で味付けをするわけではないので、適度な乾燥力のある灰を作る・調整することが一番重要です。単純な火山灰ではなくセラミック粒を独自の配合で混合することにより、ベストな灰干しを実現しています。

美味しい灰干しさんまをお召し上がりください

炭火焼イメージ

このように灰干しはすべての作業が機械化出来ず、とにかく手間がかかるのでどうしても高価になってしまいます。ですが手間の分だけ美味しい灰干しさんまが作られています。灰干しさんまのチルド品の賞味期限は出荷日を含めて5日となるぐらい、限りなく生に近い干物です。(チルドお届けしますが、到着後冷凍庫で保存していただけますと賞味期限は1か月です。)
この灰干しさんまを旅館の朝食に提供したところ、朝食の魚を残す率が格段に減ったそうです。焼いて良し寿司にしても良し、佃煮にしても良し。温かいのはもちろん、冷めても美味しくいただけます。食べ方は色々ありますのでぜひお召し上がりください。

商品ラインナップ

灰干しさんま
(2Lサイズ)

こだわりの原料をミネラル豊富な塩、健康に良いと言われる活性水を使って「灰干乾燥」にてすべて手づくりで一枚一枚丁寧に仕上げています。

灰干しさんま贈答用
(特3Lサイズ)

通常の灰干しさんまもこだわりが詰め込まれていますが、贈答用の特3Lサイズにはさらに店主のこだわりを凝縮しています。
完全銘柄指定により、より良い品質の原料を使い、店主と選ばれた職人だけで開き加工をしています。塩は天然海水塩を使用し、塩水の温度管理を徹底した、こだわりの逸品です。リピーターの方はこちらを選ぶことが多いそうです。

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※表示価格はすべて内税です

灰干しさんまLLサイズ
中井水産
灰干しさんま LLサイズ5枚入

1,750円

灰干しさんま贈答用特3Lサイズ
中井水産
灰干しさんま贈答用 特3Lサイズ10枚入

5,100円