和歌山の郷土料理:茶粥

茶粥のイメージ

一般的に全国で食べられるお粥といえば、白米を水で炊いた「白粥」ですが、和歌山・奈良近辺では、ほうじ茶や番茶で炊いた「茶粥」が良く食べられています。これには歴史的な理由があったからと言われています。

和歌山で茶粥が食べられるようになった理由

お茶の木
昔は庭先にもあった茶の木

和歌山県では面積の7割以上を山地が占めており、昔から米を作れる土地が少なかったと言われています。そんな中でも江戸時代には紀州徳川家による年貢が重く、厳しい生活を強いられた農民が、「少ない米でも満腹になれる料理を作らねば」と編み出されたのが「茶粥」という郷土料理です。
かつては茶の木を家庭で栽培しているところも多く、番茶を各家庭で作り、そのお茶で粥を炊いたのが茶粥のきっかけです。とくに和歌山では親しみを込めて、茶粥の事を「おかいさん」と呼ばれる事が多いです。
農作業後の喉の渇きと空腹に、さらっとした口当たりの「おかいさん」は最適で、また忙しいさなかでも大釜で大量に炊いておくことができるので非常に便利な料理であると言えます。ただし米が少なく、水分が多い「おかいさん」は腹持ちが悪くすぐにお腹がすくため、さつまいもや里いもを入れて量増しをする事も多かったのです。
これも地域や家庭によって違いがあり、豆を入れたり焼いた餅を入れる家庭もあり、食べる際には梅干しや金山寺味噌、紀の川漬けなどとバリエーションも豊富です。

茶粥の特徴

冬場は温かくして食べ、夏場は鍋を水に漬けてキンキンに冷やして食べるのが美味しい「おかいさん」ですが、口当たりがサラッとしているため食欲のない時でも食べやすいのが特徴です。山間部では自家製のお茶を作っていたためか番茶を使ったものが多く、平野部ではほうじ茶を使ったものが多いのも特徴的ですね。緑茶で作ると言う話を聞いたことはありません。
県内のお茶屋さんやスーパーでは、茶粥用のティーバッグに入れたほうじ茶・番茶が販売されており、県外に出た人が茶粥を作りたくてまとめて購入するという事も多いそうですよ。
ちなみに専用のもので無くても一般的に売っているほうじ茶などをティーバッグに入れて作っても美味しくいただけます。

茶粥の作り方

各家庭によって作り方が異なるので一般的な話となりますが、作り方としては以下の通りです

  1. 大鍋にお湯を沸かして番茶またはほうじ茶を入れて色よく煮出す
  2. お茶の葉を取り出し、洗った米を入れて強火で炊く
  3. この時にしゃもじ(またはお玉)ですくいあげるようにして混ぜる
  4. 米が膨らんだところで火を止める。炊きすぎには注意!

まとめ

茶粥は少ないお米で満腹になれる知恵を絞った料理です。白粥に比べて味が付いており食べやすく、金山寺味噌やお漬物が合います。
県内のスーパーなどでは専用のお茶も売っているぐらいメジャーなものですが、和歌山や奈良以外ではマイナーかも知れません。
茶粥を提供する飲食店などもあるので、旅行等で和歌山・奈良を訪れた時にぜひお試しください。

茶粥のお供はこちらから

※表示価格はすべて内税です

養老醤
あみ清数見商店
養老醤

540円~756円

北紀高野金山寺味噌紀州
岡本商店
北紀高野金山寺味噌紀州

400円~520円

昔造り金山寺味噌
やまだ
昔造り金山寺味噌

330円~700円

贅沢三昧
やまだ
贅沢三昧

470円~700円

黄金色の生姜入り
やまだ
黄金色の生姜入り

470円

田舎漬たくあんほんまもん
やまだ
田舎漬たくあんほんまもん

410円~690円

紀州ほんまもんたくあんあっさり漬け
やまだ
紀州ほんまもんたくあんあっさり漬け

410円~690円