「企業のふるさと」の取り組み ―― 伊藤忠商事鰍ニの交流 ――

 和歌山県では農村・農業を守るために様々な取組を行っているが、平成20年度より「食」に関心が高い企業の方々に、県内の農山村地域の資源を活用しながら、地域の方々と共に安心・安全な米づくりや地産地消の推進、また地域の景観保全に参画していただく新しい取り組みである「企業のふるさと」の推進を図ってきました。
 その第1号として、伊藤忠商事椛蜊纐{社と天野の里づくりの会が、天野地域内において継続的な交流活動を2009年度(平成21年度)から実施することになりました。
 伊藤忠商事鰍ナは社会貢献・社員研修・福利厚生活動として、天野の里づくりの会では人手の確保・交流活動・販路開拓として位置づけ、米づくり(田植え・稲刈り体験)や景観保全活動(ホタルの遮光ネット張り・丹生都比売神社の清掃・西行堂の清掃と植樹・町石道の整備活動等)に取り組んでいます。
 この取り組みの中で大切にしていることは、交流を深め、天野の里のよさを理解してもらうことです。そして、天野の里を第2のふるさととして感じてもらうことです。イベントに終わってしまっては天野の里のよさを理解してもらえないのです。体験や活動を通して交流を深め、食事をしながら語り合う中で天野の自然や文化だけでなく、天野住民の人柄の温もりや思いに触れてもらうことがなければ、天野の里の本当のよさを知ってもらえないのです。天野の里のファンやリピータにもなってもらえないのです。
 2年間の体験や活動と交流を深めることにより、次のような感想が寄せられています。
「お世話になりました。お米、とってもおいしかったです。」
「天野の里とのご縁は宝物です。皆さまに心より感謝しております。」
「稲刈りでは本当にお世話になりました。皆、毎回、天野の里の方達は、本当に優しくて、お母さん達のお料理は本当においしいですね。空気も綺麗だし、いい所だねーと言っております。」

 1年目、伊藤忠商事鰍フ若手社員は、「週末の休日を返上して、なぜ田舎へ行かなければならないのか。」と不満を言っていたが、2年目からは「後3回も、天野の里に来れる!」と楽しみにする社員が多くなったということです。
 それだけでなく、若手社員の多くから「このまま田植えや稲刈り、自然の保全活動をしていただけでは、天野の里の方々に面倒をかけているのではないか? もっとお役に立てることをしたい!」という声が出てきました。
 それで、伊藤忠商事鰍ニ天野の里づくりの会の打合せの時に話し合い、その声に応えて、3年目は「山羊の電柵張り」(草刈りをする代わりに草を山羊に食べさす時に山羊が逃げないように電柵を張る)や「竹伐り」(そば畑への進入路をつくるための竹刈り)、「トラクター講習」を計画して実施しました。
 3年目の稲刈りの時には希望者が多く、バス2台で67名の方々が参加しました。

 「企業のふるさと」事業に取り組み、伊藤忠商事且ミ員の方々との交流の中で、天野の住民は天野のよさを再認識すると共に自分達が住んでいる天野の里に今まで以上に自信と誇りを持つことができました。非常に嬉しい限りです。この自信と誇りが、天野の里の活性化の原動力になるのです。

   田植え

    竹伐り

    昼食

バイダ―による稲刈り

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